多くの人が悩んでいる「肩こり」。
肩こりってなぜ起こるのでしょうか?

 

肩こりで不快な感覚がある場所は筋肉

重たい、痛い。
人によってその感覚は様々ですが、肩こりによる不快な感覚が起こっている場所は筋肉です。

その辛い部分をグイグイ押したり揉んだり。子供が親の肩をトントン叩いたり。

不快な感覚のある筋肉にそうした刺激を与えると、一時的に筋肉の感覚がマヒして肩こりを感じにくくさせることができます。

ただしばらく時間が経つとまた感覚は戻ってきて、再び肩こりを感じるようになります。

筋肉は体を支えるのが仕事

体は骨が柱の役割をして、その柱を支えるのが筋肉の仕事です。
ただ座っているだけでも、筋肉には力が入っていて体を支えてくれています。

想像してみてください。
真っ直ぐ立っている柱を支えるのと、倒れそうな柱を支えるのと。
筋肉にとってどちらが大変だと思いますか?

もちろん倒れそうな方が大変です。
「姿勢が悪い」というのは、筋肉にとってより大変の状態であるということです。
そうして筋肉により多くの負担をかけ続けた結果が肩こりなのです。

「頭」の重さ=ボウリングの球

成人の頭の重さはだいたい5㎏前後。
体重の8%と言われています。体重58㎏の人なら頭の重さは4.6㎏。
ボウリングの球が首の上に乗っているのと同じです。

そんな重いものを、変な体勢(悪い姿勢)で支えていたら、もう重たくて大変です。
それくらい首肩の筋肉には負担がかかっているのです。

姿勢を正せば肩こりは消える?

そんな重い頭を支えるために姿勢が悪ければ負担がかかる。

では姿勢を正せば負担は軽くなり、肩こりはなくなるのでしょうか?

実はそんな単純な話しではありません。
 

姿勢が悪いのは、座っている時です。

現代人の生活様式は、もちろん人にもよりますが座っている時間が長いです。
 

仕事は肉体労働からデスクワークが中心となりました。

そもそも小学校に通い出すとじっと座って授業を受けるようになりだします。

だから早い人なら小学生の頃から肩こりが始まります。
 

そうなんです。座っている姿勢が問題なのです。

ではどのように座ったらいいのでしょうか?

良い姿勢で座る

そもそも「良い姿勢」とはどんな姿勢なのでしょうか。

一般的には背筋がピンと伸びた姿勢のことを言います。
 

座っているときはいわゆる猫背と言われるように、背中が丸くなってしまいがち。

昔は背中に長い定規を差したりしたものです。(古すぎる)

人間の体は立った姿勢が基本です。

立っているときの背骨は首(前)・胸(後)・腰(前)というS字カーブがあり、これを「背骨の生理的湾曲」と言います。

座っているときも背骨がこのような状態になっていると見た目は綺麗に見えます。

でもこれ、「見た目」だけなんです。
 

体は一部が正しくてもダメなんです。

全身が関係し合っているから。全てつながっているんです。
 

立ったときに正しい背骨の状態は、座っているとき、膝・股関節が曲がっているときにも正しいとは言えないのです。

関節が柔らかい子供のころからずっと綺麗な姿勢で座っていたのなら大丈夫です。

しかし大人になってから、関節が硬くなってから綺麗に見える姿勢で長時間座っていると腰が痛くなったりします。
 

体操やバレエ、フィギュアスケートなどの選手はすごく体柔らかいですよね。

あれは子供のころからずっとやり続けているからできることなんです。
 

肩こりのために綺麗な姿勢で座っても、腰が痛くなっていては意味がありません。

実際、長時間のデスクワークを綺麗な姿勢でし続けるなんて無理ですよね。自然と背中が丸まってきます。

それが楽だからです。でもそれで良いんです。首肩には負担はかかりますけど。

 

座っている姿勢で固まる

座っているときに姿勢が悪くとも、立てば姿勢は良くなります。

立った姿勢で体を動かすと……、歩いたり走ったりすると、座っているときの悪い姿勢がリセットできます。

ただ、悪い姿勢が長期間続くと、背骨の関節が硬くなります。

そうなると、立っているときも座っている背骨の状態が続きます。

本来なら立っているときは真っ直ぐな背骨が、立っているのに座っているときのように丸くなっているということです。
 

背骨だけではありません。

座っている時の姿勢は肩が前方に巻き込むようになっています。

これは本来なら立ったときには胸が開くようにならないといけません。
 

しかし、座っている時間が長く、また長期間になってくると肩甲骨が背中に貼り付くようになり、立った時も肩が巻き込んだようになってしまいます。
 

背骨が硬くなる。肩甲骨が動かなくなる。

このことで綺麗な姿勢をしようとしても、体がそのように動かないので出来ません。

結果、ボウリングの球と同じ重さの頭を、悪い姿勢のまま支えることになってしまいます。
 

これが、肩がこってしまうプロセスです。

 

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